掃除が楽になった!ポロポロ落ちる和室の土壁を、クロスに張り替える方法とは?

和室の壁紙

こんにちは、住まいと暮らしとのアドバーザーのカナコです。

最近は、マンションも戸建てもフローリングスタイルのお部屋が一般化し、「和室」が減少傾向にありますね。しかしながら、和室は純日本風なイメージもあり、マンションや戸建てで今でも好んで残されているところも多かったりもします。

そんなマンションや戸建てにお住まいの方で和室をお持ちの方は、和風の雰囲気を日々の生活の中で味わいながらも、その反面、日々のお掃除でお困りの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。日常掃除していると意外に気になるのが、「和室の土壁がポロポロと床に落ちてくる」というお悩みをよくお聞きします。土壁の亀裂、剥落で砂と埃が絡みあって砂埃になり、それらが舞い上がると、地上から1mも浮遊するそうです。その中で生活したら、敏感の人なら鼻もムズムズして健康を損ねることにもなりかねませんね。

このような対策として有効な手段は、劣化した土壁をお手入れしやすいクロスに張替えることで、改善されます。
土壁が落ちなければ、お掃除の回数も減り楽になりますね。

今回は、「掃除が楽になった!ポロポロ落ちる和室の土壁を、クロスに張り替える方法」をご紹介いたします。

 

今回の記事の目次

1,土壁からクロスに張り替える2つの方法
2,土壁とクロスの特徴
3,和室のスタイルに合わせたクロスのコディネート

 

  1,土壁からクロスに張り替える2つの方法

「ついこの間掃除したばかりなのに、もう床に砂埃が・・・」、という経験がありませんか。

老朽化で剥がれ落ちる土壁の面倒な手入れですが、簡単なクロスに張替えることで、床が汚れず、お掃除が驚くほど楽になります。

そして、毎日、土壁で床が汚れるストレスから解消されることにもつながり、気分よく毎日を過ごせますね。

ここでは、「土壁からクロスに張り替える2つの方法」をご紹介いたします。

【方法1】

「土壁の上に直接クロスを張る方法」
具体的な方法としては以下の通りになります。
(1)土壁表面に付いたチリ、誇り、剥がれの余分な部分をきれいに取ります。
(2)壁面にパテを塗り平らにします。
(3)パテ処理後に凹凸があればペーパーでこすって平らに仕上げます。
(4)その上から壁面全体に均等な厚さに糊を塗ります。
(5)クロスを張り仕上げます。

●ポイント解説●
土壁は砂と土を練り合わせたもので、表面にざらつき凹凸がでるので、土壁表面にパテを塗り平滑にします。平滑にすることは、糊が均等につき、クロスが美しい仕上がりになります。パテ処理では、劣化や乾燥からくる亀裂、剥落、くぼみなどの欠陥を埋めて、できるだけ凹凸をなくして、その上に糊をつけクロスを張ります。

●土壁の上に直接クロスを張る「メリットとデメリット」●
メリット
・費用が安くつきます。
・施工時間が短くなります。
デメリット
・壁の劣化の具合により十分な施工ができない場合があります。
・照明の当たり方で、壁表面に凹凸のような影がでる場合があります。

●注意●
壁の劣化状態よっては、直接クロスを張れない場合がありますので施工業者にご確認ください。

【方法2】

「土壁の上に合板、石膏ボードを張る方法」
具体的な方法としては以下の通りになります。
(1)土壁表面に付いたチリ、誇り、剥がれの余分な部分をきれいに取ります。
(2)その上に合板または石膏ボードを和室の柱部分以外に張り、釘で留めます。
(3)板面に全体に均等な厚さに糊を塗ります。
(4)クロスを張り、仕上げます。

●ポイント説明●
劣化している土壁を板で覆うことで、下地が平滑になり、クロスをより美しく仕上げることができます。

●土壁の上にベニヤ板や石膏ボードを張る「メリットとデメリット」●
メリット
・凹凸のない平滑の板を使用するので、綺麗な仕上がりになります。
デメリット
・材料費が必要となり費用がかかります。
・土壁の上に直接クロスを張る方法よりも、施工時間が長くなります。

以上のように、簡単に和室の土壁をクロスに張り替える方法としては、2つの方法があります。
2つの方法とも、それぞれ「メリットとデメリット」がありますので、自宅にあった方法を選択していただくことをオススメします。

 

 2,土壁とクロスの特徴

土壁からクロスへの張替えについて、その方法をご説明してまいりましたが、ここでは、知っておくと得するちょっとしたマメ知識をご紹介いたします。

昔ながらの左官仕上げの「土壁」と、内装張り仕上げ材の「クロス」。
それぞれが「どのような特徴に違いがあるのか?」を比較をしました。
それぞれ違った魅力がありますので、ご覧下さい。

昔ながらの左官仕上げの「土壁」

昔ながらの左官仕上げの「土壁」

・固まる速さ:遅い
・施工期間:長期
・特徴:湿度調整は高い、耐久性、耐水性に欠ける
・摘要場所:和風の部屋

土壁は主に天井、壁の左官仕上げで、固まるには時間がかかります。
主材料となる土は粘土で、わらすさ、砂などを混ぜ合わせたもので、粘土は粘りがあり、乾燥した時に固まる性質をもっています。
また砂は、ひび割れを防ぐので補強の役目があり、わらすさは植物繊維が含まれているので、つなぎの役目をします。
こうした材料を配合し塗り上げる技術は左官職で、職人技の腕の見せどころでが、その分どうしても手間と時間がかる分、コストが上がってしまいます。

最近、土壁の材料をあらかじめ調合したものを使用し、簡単に現場で水と練り合わせることにより、少しでも現場での手間、時間を縮小しています。
また、体に優しい自然素材があらたなブームも作っています。

内装仕上げ材の「クロス」

内装張り仕上げ材の「クロス」

・固まる速さ:早い
・施工期間:短期で施工法が簡単
・特徴:吸音、断熱性が大きい。種類が豊富。
・摘要場所:部屋を問わず。和風、洋風

住宅で使用されている一般クロスは、ビニルクロス、織物クロス、紙・和紙クロス・環境対応クロス(珪藻土)があり、中でもビニルクロスは、今主流の人気商品です。

1,ビニルクロス
大量生産なので、低価格でかつ施工性にも優れているので使いやすい人気のクロスです。
素材の性質から、色、柄、質感が豊富、土壁風に仕上げるなら、和調の中からお選びいただくとよいですね。土壁風、じゅらく壁風、和紙風がありますので、和の雰囲気を楽しんでいただけますよ。

2,紙クロス
紙のやさしい素材感をだし、和の空間におすすめです。特に水に弱くシミがつきやすいクロスです。

3,織物クロス
高級感があり、温かみのあるやさしい風合いで、吸音効果、断熱効果があります。

4,珪藻土クロス
自然素材の珪藻土を練り込んで、その細かい気孔の粒子が、湿気を吸放出させるので、結露の発生を軽減させます。

このように、昔ながらの左官仕上げの「土壁」と、内装張り仕上げ材の「クロス」の違いももちろんですが、クロスなどは、その中で様々な種類と特徴のものがあります。クロスへの張替えの際は、その選び方もポイントになってきますね。

 

 3,和室のスタイルに合わせたコディネート

先ほどのご説明でもありましたように、クロス張替えについては、様々なクロスの種類と特徴がございます。そのため、実際にクロス張替えの際は、「どんなクロスを選択するのか?」のお部屋のコンセプトなどにあったコーディネートがポイントになります。

最近では、ライフスタイルの変化とともに、和室はご年配の方の生活空間だけでなく、さまざまな空間の演出で和の魅力が見直され、和空間を楽しむ若者なども増えてきたりしてます。

ここでは、様々な「和室のスタイルに合わせたコディネート」をご紹介します。

純和風、伝統的な仕上がりに。

純和風、伝統的な仕上がりに。

和室らしい昔ながらの土壁調、じゅらく壁調のクロスを選ぶと、懐かしい和室の雰囲気になります。
天井は、竹・杉などの板目調のクロスにするとより一層深さが増します。和室は癒され、落ち着く場所でもあります。
また天井を壁のクロスよりも暗めにすると落ち着いた雰囲気になります。

モダンな和室仕上がりに。

モダンな和室仕上がりに。

天井、壁はは明るいグレー系、ホワイト系にし、無地調のクロスにするとモダン風な印象になります。モダンな和室はすっきりしたイメージがあるので、派手な色やにぎやかな柄模様を控えましょう。また色の淡い素材感のある無地調のクロスなら、シンプルなモダンな和室になります。

より個性的な空間に仕上げるには、壁の四面のうちの一面だけ柄物にするとアクセントになります。残りの三面はホワイト系のクロスにまとめると良いでしょう。

天井に黒系のクロスを貼られる方も少なくありません。黒はまわりの色になじむ色ですが、天井を暗くし過ぎると、20cm低く感じてしまいます。畳に座る生活は、さほど気になりませんが、椅子の生活だと天井が低く感じますのでご注意くださいね。光沢のある黒は高級感があり、マットな黒はカジュアル感がありますので部屋の雰囲気に合わせてお選びください。

また畳にこだわるなら、琉球畳の現代風に。小物系、座布団などをモダン系でそろえるとよりモダンな仕上がりになりますが、あまり小物を置きすぎないことがすっきりしたシンプルモダンになります。

 リビングと和室を一体化した仕上がりに。

リビングと和室を一体化した仕上がりに。

リビングと和室を一体化させるには、天井のクロスを明るめのシンプルな同じクロスにすると、飽きのこない多目的スペースになり、広く開放感もうまれます。また壁も同じクロスにすると、天井と壁が一体化してより広く感じます。織物調のクロスは、和洋どちらにも合う優しいイメージになります。

 床の間がある和室を現代風の仕上がりに。

床の間がある和室を現代風の仕上がりに。

床の間がある和室なら、床の間の壁を色のある和紙柄で、アクセントをつけると、現代風の床の間になり、一気に雰囲気が引き立ちますので、ぜひお試しくださね。

このように、お部屋のコンセプトによって、それぞれクロスの選び方も異なってきます。土壁からクロスへ張替えの際は、ただ張替えることを目的にするのではなく、「どんな和室に仕上げたいのか?」を決めて、クロス選定をすると、より素敵な空間に仕上げることができますので、ご参考にしていただければと思います。

 

 まとめ

今回は、和室でポロポロ落ちる土壁が気になるお悩みの方に対して、「掃除が楽になった!ポロポロ落ちる和室の土壁を、クロスに張り替える方法」をご紹介しました。

リフォーム時の傾向では、クロスの需要が増え続け、お掃除のしやすさや低価格の理由から、昔ながらの純和風の住まいの土壁を使った玄関、廊下、和室などは、クロスに張り替えられています。お手入れが簡単なクロスに張替えると、和室の床に砂埃が落ちないので、お掃除の回数も減ること間違いありませんね。またそれにより、お掃除のストレスが軽減されることによって、毎日を快適にお過ごしください。

「土壁の上に直接クロスを張る方法」と、「土壁の上に合板、石膏ボードを張る方法」は、現状の壁面の傷み具合によってお選びいただくと良いでしょう。

和室の土壁についてのお悩みや、クロス張替えに関するご相談がございましたら、いつでも、住まいと暮らしのアドバイザーにお気軽にご相談ください。