外壁の塗り替え時期

外壁の塗り替え時期

こんにちは 住まいと暮らしのアドバイザーのカナコです。

同じくらいの築年数の家が外壁の塗り替えをしているのを見かけた時、「もしかして、うちもそろそろ塗り替え時?」と気になったことはないでしょうか?

外壁塗装工事は、それほど頻繁に行うものではありませんが、定期的にメンテナンスをすることで家の寿命を伸ばすことができるんです。

今回は、外壁の塗り替えの必要性やタイミングについてお伝えいたします。

目次:

  • 外壁の塗り替えをする必要性とメリット
  • 外壁塗装のタイミングは10年が目安
  • 外壁にこんなサイン(症状)がでたら要チェック
  • おしゃれな外壁にするアイデア
  • 外壁の材質と塗料の種類
  • 外壁塗装の料金や相場
  • 外壁塗装の手順や流れ

外壁の塗り替えをする必要性とメリット

外壁は、私たちを紫外線や雨風から守ってくれる頼もしい存在ですが、時間と共にダメージが蓄積されていくのも事実。経年劣化によって外壁の塗膜が失われると、壁の中に水が入り、木材や鉄筋などが劣化する原因となり、家の寿命を縮めてしまうことにつながります。

特に日本は高温多湿な気候のため、外壁を定期的に塗り替えすることで、防水性を高めて家を湿気や水分から守ることが大切になります。

また、断熱性のある塗料を使うことで外気温を家の中に伝えないという効果もあり、夏に涼しく、冬は暖かい住空間を作ることもできます。

もちろん、家の見た目の美しさや景観を保つこともできます。

外壁の塗り替えをすることで得られるメリット

  • 家の寿命が延びる
  • 外壁が汚れない、劣化しない
  • 美観を保つ・・・塗り替えをすることで、見た目の美しさを保ちます。
  • 省エネ・断熱効果・・・断熱効果のある塗装を使用すると外観からの熱を断熱し省エネになります。

外壁塗装のタイミングは10年が目安

外壁を塗り替えるタイミングと頻度について

外壁を塗り替えるタイミングは、だいたい10年が目安とされています。
塗料の耐久性が10年ほどになっているため、それ以上経つと防水性がなくなるためです。

外壁は直射日光や雨風・ホコリに毎日さらされているため、どうしても徐々に痛んでいきますので、お手入れは必要です。定期的にメンテナンスをすれば、外壁の寿命は3倍ほど伸びるともいわれています。

外壁を塗り替えるのに適した季節、向かない季節

外壁の塗り替え工事を行うのは、10~11月頃が一番良いと言われています。雨が少なく、気候が安定した季節だからです。

逆に、雨の多い梅雨の頃、6月~7月はあまりおすすめはできません。雨が降ると、下記のようなデメリットがあるからです。

  • 乾燥していない部分が流れてしまう。
  • いつも以上に乾燥時間がかかってしまう。
  • 乾燥が不十分なまま仕上げ塗りになってしまう。

雨があまりにひどいと、工事が延期になることもあり、工事期間の増加につながります。
どのくらいの雨で工事を中止するかは判断が難しいところですが、基本的に、湿度が85%以上という状態が続くと外壁塗装用の塗料はきれいに仕上がりません。
塗料メーカーの注意事項としても、「気温5度以下、湿度85%以上の塗装は避ける」とあります。

しかし、様々な事情で、雨の多い時期に外壁リフォームをしなければならない方もいることと思います。
その場合は、デメリットがあることを十分に理解した上で、きちんと業者さんと打ち合わせをすることで、トラブルのないように進めるようにしましょう。


外壁にこんなサイン(症状)がでたら要チェック

外壁の塗料が劣化すると、このような症状が発生します。
心当たりのある項目が複数あるなら、そろそろ外壁のリフォーム時期かもしれません。

ツヤが落ちてきた(築8年~12年)

ツヤが落ちてきた程度ならまだ防水効果はありますので、今すぐ塗り替えが必要な状態ではありませんが、検討は必要です。

ひび割れがある(クラック)(築8年~10年)

ひび割れがある(クラック)防水効果がなくなってくると雨のたびに少しずつ壁面に水が溜まり、その面が乾きを繰り返すとゆがみが大きくなり小さなひび割れ(クラック)亀裂が発生します。
補修せずに放置しておくと、どんどんヒビが大きくなりそこから水が浸入しますので、早めの対処が必要です。

塗装の剥がれや膨らみがある(築10年ぐらい~)

塗装が剥がれてくると外壁の下地材が外部にさらされ、急激な劣化につながります。膨らみは水分が入り膨らんでいる症状です。

外壁に汚れが付着している(築10年ぐらい~)

築10年になると、外壁の汚れが目立ちやすくなってきます。

外壁が色あせている(築5年ぐらいから~)

つや感がなくなってくるのは防水性がなくなって劣化しています。紫外線やほこり汚れが付くことで色あせてきます。

カビや藻が発生している(築5年~10年)

カビや藻が発生しているカビ:カビの菌は壁に吸収された雨水からの成分、ほこりなどを栄養分として、増殖してしまいます。
藻:藻は緑色とは限らず、黒いものもあります。栄養分がなくても光合成で成長していきます。
カビも藻も、家の構造には悪い影響はありませんが、汚いと見た目の美観が損なわれます。

サビが腐食している(築10年ぐらい~)

サビが腐食している
さびは、大気中の水分が電解質溶液として作用し、金属と接して局部電池を発生させることにより、陰極部で鉄がイオンとなって溶出し、酸化鉄(=さび)となることにより発生します。
どんな塗装でも多少はさびの進行を妨げることはできますが、塗料の塗膜が水や空気を通すので、サビを完全に抑える事はできません。さびを抑えるために欠かせないのが、さび止め塗料です。

手で触ると白い粉が付く(築8年~10年)

手で触ると白い粉が付く手で外壁を触ると白い粉が付くのは、チョーキング現象と呼ばれ、塗料の防水効果が切れたサインです。放っておくと雨水が浸入し、壁の内部を傷めてしまいます。


おしゃれな外壁にするアイデア 二色使いのツートンカラーでグッとおしゃれに

おしゃれな外壁にするアイデア

外壁の色はたくさんあるので、どんな色にしようか迷ってしまいますよね。
色選びのコツをお伝えします。

二色使いのツートンカラーでグッとおしゃれに

壁面全体を一色ぬりにするより、二色使いのツートンカラーがおすすめです。

例1)

  • 同系色で調和のとれた色を選ぶ・・・クリーム色と、色を少し薄くしたクリーム色
  • 彩度が同じぐらいの色を選ぶ・・・同じくらいの薄さのクリーム色と薄緑色

2色の割合は、6:4または7:3ぐらいがバランスがとれた仕上がりです。

例2)

  • 二色の境目にもう一本色を足して、3色塗りにする。

多くとも三色までが限度で、それ以上色を増やすと統一感のない外壁になります。家の雰囲気が変わります。
また塗装をしない窓枠、サッシ部分、玄関ドア、手すり部分の調和もお忘れなく。

例3)

  • 塗り分けする方向を変える

縦方向と横方向では、印象が大きく変わります。

  • 横の塗り分け・・・重厚感を演出
  • 縦の塗り分け・・・スタイリッシュさを演出

やっぱり人気!白い壁

白は汚れが大変目立ちやすい色ですが、根強い人気があります。壁がきれいな白になると、新築になったかのように雰囲気ががらっと変わります。

全面に白ではなく、ツートンカラーもおしゃれで人気があります。

  • 白とグリーン系
  • 白とグレー系
  • 白とブラウン系

少しでも美しさを保つためには、定期的に水洗いをして汚れを防ぎましょう。

色褪せしやすい色と色褪せしにくい色

日差しの強いところに洗濯物を干すと、濃い色の服が色あせするように、外壁塗料でも紫外線で色褪せしやすいものと、色褪せしにくいものがあります。
外壁が色褪せすると、色が薄くなり、家が古びた感じになります。塗料を選ぶ時には、色の特徴を知って、色褪せしにくい色を選ぶと良いでしょう。

  • 色褪せや変色しやすい色・・・鮮やかなや原色に近い色(青、赤)
  • 色褪せしにくい色・・・落ち着いた色(ベージュ系やグレー系、茶系など)

何色を選んだらいいか悩む人は、カラーシミュレーションを利用しよう

何色を選んだらいいか悩む人には、さまざまなパターンを出してくれるカラーシミュレーションが効果的です。
全体像を把握する事で塗り替え後のイメージが湧き、こんなはずではなかったというような失敗を少なくすることができます。

サッシやその他の箇所とのバランス、屋根と壁の組み合わせはあっているか、またツートンなら配合のバランスはどうかなど、全体像がわかりやすくなります。
塗り替えをすれば、次回の塗り替えは10年以上先になりますので、色選びは慎重に・後悔のないように進めたいですね。

塗り替えシミレーションご利用ください。
 エスケー化研株式会社 


外壁の材質と塗料の種類

家の外壁材の耐用年数は、材質によって異なります。それに合わせて外壁の塗り替えをすると、より家を長持ちさせることができます。

外壁の材質と塗り替え時期

  • 窯業系サイディングボード・・・7~8年
  • 金属系サイディングボード・・・10~15年
  • 樹脂系サイディングボード・・・10~20年
  • モルタル外壁・・・8~10年
  • ALCボード・・・10~15年
  • コンクリート壁・・・15~20年

塗料の種類と塗り替え時期

アクリル系塗料

昔からある塗料で、トタン板などに使用されていました。塗り替え時期の目安は5~6年です。
他の塗料よりも安価なのですが、ひび割れがしやすく、色あせしやすいので何度も塗り替えする必要があります。
イメージを定期的に変えたい方にはおすすめです。
汚れも付きやすく、水分を通しやすいので、外壁にはあまり向いていません。

ウレタン系塗料

光沢感があり、アクリル塗料よりも光沢が長持ちします。塗り替え時期の目安は7~10年です。
ウレタン樹脂塗料は適度な柔らかさがあるので、外壁の下地に追従してひび割れが発生するのを抑えることができます。
光沢は長持ちするものの、変色しやすいです。また、紫外線や汚れ、耐久性にはそこまで強くありません。

シリコン系塗料

光沢感があり、ウレタン塗料よりも光沢が長持ちします。塗り替え時期の目安は10年です。
水や汚れ、防カビ性、防藻性、紫外線に対する耐久性も比較的優れ、全体的にバランスがとれた塗料です。
お手頃価格なため、外装・屋根の塗装で最も使用されていて、塗り替え頻度も少ないため、人気のある塗料です。

フッ素系塗料

光沢感があり、光沢を長持ちさせたい方におすすめです。(光沢感をなくすこともできます)
塗り替え時期の目安は15年~20年です。傷に強くはがれにくく、汚れも水で簡単に落せます。
商業施設や大きなビルなどで使用され、耐久年数が最も優れていますが、価格が高価です。最近は外壁用としてよく使われています。

塗り替え時期でランクをつけるのなら

1. フッ素系塗料
2. シリコン系塗料
3. ウレタン系塗料
4. アクリル系塗料

となります。
あくまで目安ですが、一般的に塗り替え頻度と価格からみれば、シリコン系塗装をおすすめします。


外壁塗装の料金や相場

外壁の塗装工事では、以下のような塗料の平米単価が相場となります。

塗料の種類 平米単価の相場
アクリル系塗料 1,000~1,200円/平米
ウレタン系塗料 1,800~2,000円/平米
シリコン系塗料 2,500~3,500円/平米
フッ素系塗料 3,500~4,500円/平米

現場の条件によって金額が大きく異なりますので、目安としてお考えください。
また、その他に足場代金・洗浄代が含まれますので、工事の際には必ず見積もりをお取り下さい。

外壁の面積

坪当たりの面積を知っておくと便利です。

20坪 79.2平米
30坪 118.8平米
40坪 158.4平米
50坪 198平米
60坪 237.6平米
100坪 396平米

外壁の面積の出し方は、延坪 × 3.3(1坪=3.3平米) × 係数(1.2~1.7)を目安としています。


外壁塗装の流れや手順

 

外壁塗装の手順や流れ

外壁塗装工事の手順と日数をお伝えします。
丁寧にしっかり下準備を行うことが、塗り替えが成功の秘訣です。

1日目:ご挨拶と足場設置

家の周りに足場を設置します。足場は、安全に作業を進める目的と、お隣の家にご迷惑などが掛からないように設置するもので、特に2階建以上の建物の工事には必須です。
足場を設置するために隣接する土地を使用することもあるので、ご挨拶はきっちり済ませておきましょう。

2日目:高圧洗浄

外壁に長年こびり付いた汚れ(カビ、コケ、埃、砂)を業務用の高圧洗浄機で綺麗に洗浄します。高圧力の水で一気に汚れを落としていきます。この工程を行うことで、塗料の密着性が上がります。

塗装工事をしたばかりなのに塗膜がすぐに剥がれる場合は、この洗浄圧が低く、汚れが取れきれていないことが原因かもしれません。

3日目:養生

塗装しないサッシ窓や樋、テラス・手すり・設置物等を、ポリエチレンシートでラッピングして養生します。

4日目:下地の調整

外壁に発生したひび割れや剥がれなどの処理や、目地部分の補修など、下地調整を行います。

5日目:外壁塗装 下塗り

基本は下塗り→中塗り→上塗りと3度塗ります。

下塗りは基本はシーラーを塗ります。これは仕上げ塗料と屋根材の下地強化剤で密着性を高めるためです。
下地がどのような状態になっているか確認し、シーラー、プライマー、フィラーなどから選択します。

下塗りをするのは、塗装の密着性を高め上塗りした際に綺麗に仕上がるようにするためです。下地の材料に合ったものを箇所に応じで下塗りしますが、下塗りの選択を誤ると剥がれの原因になります。

  • あまり劣化していない外壁の下塗り・・・シーラー
  • ひび割れ(クラック)が多い外壁の下塗り・・・フィラー
  • 鉄部・・・錆止めプライマー

6日目、7日目:外壁塗装 中塗り・上塗り

下塗り後、しっかり乾燥させた状態で、中塗りと上塗りを2回塗ります。

2回塗る理由は、綺麗に塗れているように見えても、塗料の表面にピンホールと言われるごく小さな穴があいている場合があるからです。
ピンホールのある中塗りの上に、上塗りを塗ることで、ピンホールが重なることはほぼなく、きれいに仕上がります。

塗り忘れ防止のために、中塗りと上塗り塗料は同じ色でも微妙に色を替えることもやっています。
模様がついたサイディングやモルタルの上塗りはクリヤー(透明)塗料をだけ塗ることもあります。

8日目:その他箇所の塗装

雨樋や雨戸・破風板・軒天井・ベランダ手すり等の必要な箇所を塗装します。

9日目:確認検査と手直し工事 

塗装工事における塗りむら・色とび・塗り残し、ひび割れ処理の仕上がりをチェックし、手直ししていきます。

10日目:足場解体

丁寧に足場を解体します。組む時よりも早く解体できます。


まとめ

外壁の塗り替えをするメリットや時期、材質の種類や、おしゃれに塗装するためのアイデアなどをご紹介しました。

外壁塗装は大きなリフォームになりますが、定期的に行うことで、家の寿命と美観を守ることができます。
期間が長く、金額も大きな工事になりますので、時期や内容などよく考えて進めていきたいですね。

我が家の外壁は塗り替え時期なのか?どんな塗料と色を選んだら良いのか?金額はどのくらいになるのか等、外壁の塗り替えで気になることがありましたら、お気軽に当店までご相談ください。
いつもありがとうございます。